BLOG

2018年02月08日 / 

嚥下障害という病気、ご存じですか?

こんにちは、仙台ボイスセンターの太田です。
寒くて乾燥する日が続いていますが、いかがお過ごしでしょうか。
インフルエンザが大流行していますね。
「高熱じゃないから大丈夫」「すぐに熱が下がったから大丈夫」と思っても、比較的全身症状の軽いインフルエンザB型の可能性もありますので、自己判断せずに必ず受診しインフルエンザの検査を受けるようにしましょう。

 


さて、今回は 嚥 下 障 害 についてのお話です。
皆さん、この病名を聞いたことはありますか?
「それって何?」「聞いたことはあるけど・・・」という方、この記事でぜひ知っていただければと思います。
なぜなら、嚥下障害は生活の質に大きな影響を及ぼすものであり、加齢につれて発症リスクが高くなるため、高齢になればどなたも直面しうる問題だからです。

 

では、嚥下障害の説明の前に、まず喉の構造について簡単にご説明いたしますね。
人の喉には通り道が2つあります。
①飲食物の通り道 と ②息の通り道 です。
呼吸をしているときは、は閉鎖しており、が解放されています。
そして、ゴクンと唾液や飲食物を飲み込むときは、が閉鎖されて、同時にが解放されます。
この機能が保たれることで、むせずに美味しく楽しく食事することができるのです。

 

しかし、この機能が加齢や病気によりうまく働かなくなってしまうことがあります。
そうすると、の入口が十分に解放しない、の閉鎖のタイミングが遅れる、が十分に閉鎖しない・・・などの不都合が起きてしまいます。
嚥下障害とはこのような状態のことを指します。

 

嚥下障害になると飲み込みがうまくいかなくなり、飲食物や唾液がに進入しやすくなります。
進入すると防衛反応として反射的に咳が出ます。
これがむせです。
健康な方の場合は、よっぽど出しづらいものでなければ強い咳を繰り返し行うことでの外に押し出すことができるので、特に大きい問題にはなりません。
しかし、喉の感覚が麻痺して防衛反射が鈍い方、呼吸機能が低下して強い咳ができない方、全身状態が低下して咳が出来る状態にない方などは、進入物を押し出すことが難しくなります。
進入物が気管に入ること、これを誤嚥と言います。

 


誤嚥したものが肺にまで到達すると、肺炎になることがあります。
誤嚥による肺炎を、誤嚥性肺炎と呼びます。
ここで、死因別死亡数の割合を見てみましょう。
【主な死因別死亡数の割合(平成28年)】
1位:悪性新生物(28.5%)
2位:心疾患(15.1%)
3位:肺炎(9.1%)
4位:脳血管疾患(8.4%)
(参考)厚生労働省「平成28年人口動態統計月報年計(概数)の概況」

ご覧のとおり、肺炎による死亡数は3位となっています。
しかし、高齢者の直接死因では、肺炎はなんと1位なのです。
肺炎による死亡は65歳以上で増え始め、肺炎による死亡者の95%以上が65歳以上だそうです。
もちろん肺炎=誤嚥性肺炎というわけではありませんが、老人性肺炎のほとんどが誤嚥性肺炎と言われています。

 

嚥下障害の問題点は誤嚥性肺炎だけではなく、生活の質を脅かすものという点でも注意が必要です。
強い咳ができて誤嚥性肺炎には至らなくても、頻繁にむせるようではお食事がつらいものになってしまうでしょう。
人生の楽しみがひとつ減ってしまうのは、とても悲しいことですよね。

 


 

ここまでお読みいただいて、嚥下障害が深刻な病気ということをお分りいただけたと思います。
しかし、嚥下障害に対して何もできないわけではありません。
予防する方法、症状を軽減させる方法、誤嚥性肺炎のリスクを下げる方法はあります!
当院では嚥下機能の維持・向上を目的とした嚥下訓練を行っております。
下記の症状に心当たりのある方は、早めの受診をおすすめいたします。

よくむせる。
水分でむせやすくなった。
パサパサしたものが食べづらくなった。
飲食物が口や喉に残りやすくなった。
夜間に咳が出てよく眠れない。
食事に時間がかかるようになった。
痰がよくからむ。
食事中、声がガラガラになる。
食後に微熱が出る。

嚥下障害は重症化すると改善が難しくなってしまいます。
悪化する前に受診して、なるべく軽症の段階から嚥下訓練を開始しましょう。

 

私は、健康寿命、改め、“健口”寿命を延ばすことが、長生きの秘訣であり人生の質を下げない秘訣だと思います。
健口寿命を延ばし、元気に食事をいつまでも美味しく楽しみましょう♪

 


 

Copyright © 2018 統合メディカルケアセンター Tree of Life, All Right Reserved.