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2018年11月03日 / ,

これでいいのか日本の医療?  第11話 環境因子として私たちの健康に影響を与えるもの

今回は、私たちの健康に影響を与える環境因子にどのようなものがあるか考えます。

厚生労働省が提唱する、スマート・ライフ・プロジェクトをご存知でしょうか?「健康寿命をのばしましょう。」をスローガンに、国民全体が人生の最後まで元気に健康で楽しく毎日が送れることを目標とする、平成23年から始まった国民運動です。運動、食生活、禁煙の3分野を中心に、具体的なアクションの呼びかけを行っています。プロスキーヤーで登山家の三浦雄一郎さん、元マラソン選手の有森裕子さん、歌手の平原綾香さんが、いきいき健康大使として、広報の先頭に立っています。当院も、このプロジェクトに参加しています。


アクションの数は、多くありません。

1日10分の運動をする。
1日プラス70gの野菜を食べる。
禁煙をする。
定期的に健康診断を受ける。

この4つが、環境因子を改善する基本になります。国民運動としてはこれでいいと思いますが、専門的に健康寿命を考えるとこれだけでは不十分です。

まず、睡眠です。私たちの睡眠時間は、1日の1/4〜1/3を占めています。睡眠中に、日中に作られた老廃物を処理したり、明日からの活動に必要な栄養を蓄えたりしています。睡眠が足りないと、お肌が荒れたり、疲れがとれなかったり、体調が崩れてしまいますね。睡眠は量、質とも、健康維持にとても大切です。睡眠薬やお酒にたよった睡眠ではダメですね。

食も重要です。私たちが生きていくために無くてはならないビタミンCは、犬は体内で作る事ができるのに、私たち人間は作る事ができません。大航海時代、バスコ・ダ・ガマの180名の船員は、長い船上生活でビタミンCが欠乏し、半分以上が壊血病という出血性の病気で亡くなりました。必要な栄養素を摂ることが大切です。一方、有害なものを体内に入れることは避けなければいけません。日本は食品添加物大国で、なんと年間4〜7Kgの添加物を私たちは食べています。中には、海外では有害とされているものも含まれています。食事には、この他、腸内環境や、食物アレルギーなど、知っておかなければいけないことが沢山あります。そして、一度知ってしまうと、ジャンクフードやコンビニ弁当に頼り切った食生活を、後悔することになりますよ。

運動も大切ですが、私たちにとって本当にいい運動とは何なのでしょう?高齢になるまで運動をさせず、年をとってから運動をさせたマウスは、寿命が延びるどころか早死にするというショッキングな実験結果もあります。お心当たりの方は要注意です。ただ運動すればいいのではなく、何を目的にするのかによって、運動の方法も変わります。

職場環境、家庭環境などメンタルヘルスも大切な環境因子です。15才から39才までの日本人の死因の第1位は、大変悲しいことに自殺です。うつ病、更年期障害、自律神経失調症、慢性疲労症候群など曖昧模糊とした病名をつける前に、解決すべき問題があります。

ホルモンバランスは、年齢によって大きく変化し、かつて経験したことのない超高齢社会で、ホルモンとどう向き合うかは大切な問題です。その上、環境ホルモンという体外からの、悪影響にも私たちはさらされています。人間が、地球を汚染し続けたしっぺ返しが、今静かに私たちの健康に影響しています。地球の健康を考えるホリスティックな視点も大切です。


前置きが長くなりましたが、次回より環境因子について具体的にお話します。次回は、睡眠について考えてみましょう。

朴澤 孝治

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