2024年07月12日 / YouTube, ● 栄養療法, ● 院長の部屋
最近、血液検査をすると、
ビタミンの値が、
検査の測定限界を超えるほど高い方がいらっしゃいます。
通常の食事では、これほど高くなることはありません。
サプリメントを利用されているのだと思います。
ビタミンは、私たち人間は作る事ができないので、
必ず摂取することが必要です。
ただ、多く取り過ぎてしまうと、
過剰症という悪い症状が出てしまうことがあります。
ビタミンは足りなと、健康に良くありませんが、
多すぎるのも、かえって悪影響になります。
何事も過ぎたるは及ばざるがごとしですね。
ビタミンは、
水に溶ける水溶性ビタミンと、
油に溶ける脂溶性ビタミンに分けられます。
ビタミンB、Cは、水溶性、
ビタミンA、D、E、Kが、脂溶性です。
水溶性は、過剰な部分は、尿に出て行くので、
過剰症は起こりにくいですが、
ビタミンBは、以前お話ししたように、
過剰に取ると困った症状が出る事があります。
ビタミンCは、
腎臓が悪い方は、尿管結石が出来ることがありますが、
稀に消化器の症状が出る他は、過剰症の心配はいりません。
これに対して、脂溶性ビタミンは、吸収されやすく、
脂肪や肝臓に蓄積し、体内から排泄されにくく、
過剰症を起こしやすいので、注意が必要です。
ビタミンAは、レバーなどに含まれ、眼の健康に大切です。
欠乏すると、
夜盲症と言って、暗がりで物が見えにくくなったり、目が乾燥します。
過剰になると、肝臓が弱ったり、
頭痛、めまい、肌荒れ、脱毛の原因になります。
胎児奇形を起こすので、
妊婦さんはビタミンAのサプリは飲まない方がいいです。
大量に長期間服用すると、骨粗鬆症、骨折のリスク、
タバコを吸う方は、肺がんのリスク、心筋梗塞のリスクが上がり、
死亡率が高くなることが報告されています。
ビタミンDは、青魚や、卵黄、乳製品、に含まれる他、
太陽を浴びることで、皮膚で作る事ができます。
日本人の多くは、ビタミンDが少なめです。
欠乏すると、
骨が弱くなり、骨粗鬆症や、骨折のリスクが上がり、
筋力低下や疲労感が強くなります。
最近、ビタミンDの良い効果が次々と明らかになっています。
ガンの予防、うつの改善、糖尿病の改善、脳梗塞のリスクの低下、
コロナを始め感染症に対する免疫の強化、
などです。
ビタミンDが足りない方は、
サプリメントで取るのをお薦めします。
ところが、大量に長期に服用すると、
高カルシウム血症となり、
腎臓が悪くなったり、頭痛、食欲不振、
膵臓がんのリスク、心因梗塞のリスク、
骨折のリスクが高くなったと報告されています。
ビタミンEは、細胞を酸化から守っています。
ナッツなどに含まれます。
欠乏症、過剰症とも稀ですが、
最近、やはり大量に長期に服用することで、
骨粗鬆症のリスク、前立腺がんのリスク、
そして死亡率が上がるという報告がでています。
ビタミンKは、出血を止める因子を作ります。
納豆に多く含まれます。
通常の食事では、欠乏症も過剰症も稀です。
長期にわたって服用する場合、
サプリメントに含まれるビタミンの量が過剰だと、
ビタミン過剰症となり、思わぬ副作用が出てしまうことがあります。
厚労省が2020年に出した、ビタミンの1日の摂取基準を参考に、
ご自分が服用されているサプリメントのビタミンの量をチェックすることをお勧めします。
耐容上限量近い量が含まれているときは、
長期間にわたり服用するのは心配です。
せっかく、健康のために服用するのですから、
ちゃんと効果が出て欲しいです。
逆に、健康に害がでるような事は困ります。
栄養のバランスが崩れてしまい、
欠乏症の症状が出ているときは、サプリメントで補充しましょう。
体調が改善したら、
食事から、ビタミンを取るのが、お薦めです。
ごく普通の食事をされていれば、
過剰症も、欠乏症も出ません。
長期間にわたり、サプリメントを取るときは、
ご自分に必要なビタミンを、
必要な量だけ取る事をお薦めします。
院長
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