2016年09月07日 / ▶︎ 仙台ボイスセンター
みなさんは「吃音症」をご存じですか?
最近、福山雅治さんが出演していたことで話題になったテレビドラマ「ラヴソング」。シンガーソングライターの藤原さくらさんが演じた佐野さくらは、児童養護施設で育ち、吃音症がありました。緊張する場面では、上手に自分の気持ちを伝えることができず、他人と接するのがとても苦手でした。せつないラブストーリーでしたが、このドラマを通じて「吃音症」のことを初めて知り、もしかして「自分もそうなのかな〜っ」と思った人も多かったのではないでしょうか?
「吃音症」(stuttering, anarthria literalis)は、古代ギリシャ時代から知られています。「不思議の国のアリス」の著者、ルイス・キャロルも吃音症でした。
調査報告によると、約2〜5歳の間に発症のピークをむかえ、人口の約5%に吃音の症状があらわれます。3〜4年以内に、約8割の方は、自然に治ることが多いのですが、成人になっても吃音の症状が消えず、約1%の人に症状が持続するということが知られています。その中の約40%の方が社会不安障害に悩まされ、不登校、うつ病、引きこもり、転職を余儀なくされることも少なくありません。不思議なことに、人種や文化に関係なく、世界のどの地域でも人口の約1%に吃音症があるといわれています。
最近の研究によると、その原因は、脳機能のトラブルであるということがわかってきました。以前は、吃音症のことが正しく理解されていなかったために、「左利きを矯正したら吃音になった」とか「親のしつけや環境が悪い」「気にしないようにすれば治る」など、多くの誤解がありました。実際、現在でも、まだまだ分からないことが多いのです。
吃音の症状は、ことばの出し始めが詰まって言いにくかったり、ことばを引き延ばしたり、繰り返すことからはじまり、症状が進行してくると、ことばを出そうと思っても出なかったり、激しく身体を動かしてしまうこともあります。
治療方法も様々です。大きく分けると、実際に声をだして練習する「直接的訓練法」と言葉を使わずに治療をする「間接的訓練法」に分けられます。どちらが有効なのかは、その方の症状や重症度によって違います。また、「ことばの教室」などでは個人訓練の他に、グループ訓練も行われています。各都道府県の言友会では、交流会も定期的に開催されています。
仙台ボイスセンターでは、吃音症に悩む方のために、言語聴覚士による吃音治療をおこなっています。年齢層は幅広く、幼児から成人の方までいらっしゃいます。
はじめに「発音をする時に必要な舌の形や動きに問題がないのか」「耳の聴こえにトラブルがないのか」など、耳鼻咽喉科医師の診察を受けていただきます。それから、吃音検査にもとづいて、間接的訓練法、直接的訓練法などを行います。基本的に、個人指導です。ただし、必要に応じて医師や発達支援センター、スクールカウンセラー、学校の先生方とも連携をとりながら治療を進めることもあります。
吃音を「どうしたらいいのかわからない」「どんな練習がいいのか教えて欲しい」など吃音で悩んでいるかたも多いと思います。吃音治療は日々進歩しています。
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統合メディカルケアセンター tree of life
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