統合メディカルケアセンター「Tree of Life」

2025年11月14日 / ,

腸の動きを活発にして、心も体も軽やかに

 

 

 

今回は「腸の動きを活発にする方法」についてお話しします。

 

食べたものが口から入って便として出るまでの時間は、一般的に24~48時間ほどです。

つまり、1~2日で体の外に出ていくのが理想的です。

 

しかし、72時間以上かかるようになると便秘の状態といえます。

腸の動きが滞ると、体内に老廃物が長くとどまり、

肌荒れや倦怠感、気分の落ち込みなどさまざまな不調につながります。

 

では、どうすれば腸の動きをよくできるのでしょうか。

 

 

 

① 自律神経のバランスを整える

 

腸の動きは、自律神経によってコントロールされています。

アクセル役の「交感神経」と、

ブレーキ役の「副交感神経」がバランスを取りながら働いています。

 

ストレスや緊張が続いて交感神経が優位になると、腸の動きは鈍くなります。

逆に、副交感神経が優位になると腸の蠕動運動(ぜんどううんどう)が活発になります。

 

 

副交感神経を高めるには、まず「リラックス」が大切です。

ゆっくりと腹式呼吸をしたり、

40℃くらいのお風呂に浸かって体を温めたりすることで、腸の動きが自然と整います。

質の良い睡眠をとることも、腸のリズムを整える大切な要素です。

仕事や家事でイライラを感じたときには、深呼吸をして気分をリセットしましょう。

 

 

② 運動で血流と腸の刺激を

 

腸の動きを良くするには、運動も欠かせません。激しい運動でなくても大丈夫です。

おすすめは、1日30分のウォーキング。出勤や買い物のときに意識して歩くだけでも、

十分な刺激になります。

 

また、座ったままできるストレッチも効果的です。

背筋を伸ばして、上半身を左右にゆっくりひねる。

あるいは、ヨガの「ガス抜きポーズ」

仰向けで膝を胸に抱え込む、腸に圧をかけ、ガス排出や便通を促進します。

ローイングマシンもお勧めです。

 

これらの動作は、腹筋や体幹の筋肉を活性化し、腸を自然にマッサージしてくれます。

入浴後やサウナのあとに行うと、さらに血流が良くなり、腸の動きが高まります。

 

 

 

 

③ 食物繊維をしっかりとる

 

腸の元気には「食事」も大きく関わっています。

特に重要なのが食物繊維です。1日の目安は、男性で21g、女性で18gほど。

食物繊維には「不溶性」と「水溶性」があります。

 

不溶性食物繊維(野菜、豆類、きのこなど)は、

便のかさを増やし、腸を刺激して動きを活発にします。

 

一方、水溶性食物繊維(海藻、果物、こんにゃく、ごぼう、オートミールなど)は、

便を柔らかくし、腸内の善玉菌のエサになります。

 

「発酵性食物繊維」は、腸内で短鎖脂肪酸という物質を作り出し、

腸の蠕動運動を促進します。特に酪酸が腸の蠕動に大きく影響します。

 

  • 酪酸は大腸上皮細胞のエネルギー源となり、細胞の代謝を活性化させます。
  • 酪酸が腸粘膜を刺激すると、腸管神経が活性化され、蠕動運動が起こります。
  • 酪酸は腸管内でセロトニンの分泌を促すため、腸のリズミカルな動きを助けます。

つまり、短鎖脂肪酸の生成が多いほど、腸がよく動くということです。

 

発酵性食物繊維を多く含むのは、ごぼう、玉ねぎ、バナナ、こんにゃくなど。

1日の食物繊維のうち、半分から3分の1程度を「発酵性」にすると理想的です。

 

 

 

 

④ 女性ホルモンと腸の関係

 

便秘は特に女性に多く見られます。これは女性ホルモンの変化が関係しています。

女性ホルモンには「エストロゲン」と「プロゲステロン」があり、

排卵期や月経前、妊娠中などにはこれらのバランスが大きく変化します。

プロゲステロンが優位になる時期には腸の動きが鈍くなり、便秘が起こりやすくなります。

 

ホルモンバランスを整えるためには、

ストレスを減らし、自律神経を整えることが第一です。

そのうえで、エストロゲンに似た作用をもつ「イソフラボン」を含む

大豆製品(納豆、豆腐、豆乳など)を積極的にとるのがおすすめです。

 

⑤ 朝の習慣で「腸を目覚めさせる」

 

朝起きてすぐの時間は、腸が活動を始めるタイミングです。

まずうがいをして、夜の間に口の中に溜まった雑菌を流し出しましょう。

そのあと、コップ一杯のぬるめの水を飲むことで、

「胃結腸反射」によって腸の動きを引き出すことができます。

 

これを習慣にすると、朝の排便がスムーズになります。

 

まとめ

 

 

 

腸の動きを活発にするには、

 

  • リラックスして副交感神経を整える
  • 軽い運動で血流を促す
  • 発酵性食物繊維をしっかりとる
  • ホルモンの変化に合わせて体をいたわる
  • 朝の一杯の水と排便のリズムをつくる

という5つの習慣が基本です。

 

腸は「第二の脳」とも呼ばれるほど、心と体に大きな影響を与えます。

毎日の小さな工夫で、腸を整え、心も体も軽やかに過ごしましょう。

 

院長

 

 

 

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