2025年03月04日 / YouTube, ● 統合医療の検査, ● 栄養療法, ● 院長の部屋
私たちの体の表面は、皮膚で覆われています。
体表面積は成人で約1,48㎡になります。
皮膚に傷がつくと、ばい菌や異物が入らないように、
消毒をしたり、バンドエイドを貼ったりとか、いろいろケアをしますね。
食道、胃、腸等の消化管は、体の中にありますが、
消化管の中は、実は私たちの体の外になります。
消化管の表面を覆っているのが、粘膜です。
その表面積は、小腸で200㎡、ほぼテニスコート一面分にもなります。
大腸も100㎡もあります。
皮膚の表面積の100倍以上在るわけです。
腸の中は、見ることが出来ないので、
もし傷が出来ても、皮膚の傷のようにすぐに手当をするのが難しいですね。
腸の粘膜に傷がつくと、様々な有害な物質が私たちの体の中に侵入します。
すると、お腹だけではなく、
全身に多種多彩な慢性の症状を引き起こしてしまうのです。
これが、リーキーガット(腸漏れ)症候群です。
粘膜は、皮膚のように強くはありませんが、三重のバリアで守られています。
腸内細菌、粘液と粘膜、そして免疫細胞です。
腸内細菌の善玉菌は、
ビタミンを作ったり、私たちが消化できない食物を分解してくれたり、
腸粘膜を守ってくれています。
これに対して、悪玉菌は、毒素を出したり、腸のバリアを壊すように働きます。
腸内環境を良好にすることが大切です。
粘膜の表面には厚い粘液の層があり、
細菌や毒素が、直接粘膜細胞にくっつくのを防いでいます。
そして粘膜細胞は、タイトジャンクションによって、
隣通し固く結びついて、異物が体の中に入るのを防いでいます。
粘膜下には免疫細胞が沢山あり、
バリアをかいくぐって侵入してきた異物を捉えて処理しています。
体全体の約70%の免疫細胞が腸の周りに在ります。
『はたらく細胞』の映画をご覧になった方は、
白血球が、如何に異物を排除しているか、
よくおわかりだと思います。
ところが、三重のバリアがこわれてしまうことがあります。
腸内環境が、悪玉菌優位に傾いたり、
毒素や有害物質によって、粘液層が薄くなったり、
小麦の成分のグルテンが分解されて、グリアジンが出来ると、
粘膜細胞のタイトジャンクションも開いてしまいます。
すると、腸内の、カンジダ等のカビや、細菌、毒素、未消化な食物が、
私たちの体の中に入り込んできます。
こういったものは、私たちの体にとって有害です。
全身に様々な慢性的で、治りにくい症状を引き起こします。
これがリーキーガット(腸漏れ)症候群です。
リーキーガット(腸漏れ)症候群の症状には、
腹痛、便秘、下痢、消化不良などのお腹の症状が、もちろんあります。
一方、未消化な食物が侵入することで、
遅延型食物アレルギーが発症します。
毒素や、細菌、カビなどが侵入することと相まって、
慢性疲労、倦怠感、肥満、痛み等のからだの症状、
ニキビ、湿疹などの皮膚の症状、
不安、鬱、不眠など、心の症状の原因と成ります。
以下の、調査票で点数が高いと、
リーキーガット(腸漏れ)症候群の可能性が高くなります。
リーキーガット(腸漏れ)症候群の疑いがある時は
検査を受けることで、診断がつきます。
リーキーガット(腸漏れ)症候群には様々な検査がありますが、
私は、治療に直結する遅延型アレルギーの検査をお勧めしています。
10種以上の食材にアレルギーが出るときは、
リーキーガット(腸漏れ)症候群です。
カンジダというカビ(真菌)にアレルギーがある方も、
リーキーガット(腸漏れ)症候群となります。
リーキーガット(腸漏れ)症候群になる方は、
小麦のグルテンを過剰にとっている場合があります。
ラーメン、パン、うどん、パスタなど、グルテンを含む食材は沢山あります。
グルテンフリーの食材を利用するのも良いですね。
糖質、脂肪の過剰摂取、
抗生剤、鎮痛剤、ステロイドなどの医薬分は、
腸内環境を悪化させます。
過剰な飲酒、コーヒーの摂取、食品添加物は、腸粘膜を傷害します。
ストレスや、睡眠不足は、
自律神経を介して、腸内環境に悪影響を与えます。
リーキーガット(腸漏れ)症候群の治療は、
このような原因を避けることになります。
食材に気をつけた食生活を心がけ、
ストレスを避けて、規則正しい生活を送ることが大切です。
遅延型アレルギーが見つかれば、
原因と成る食材を3〜6ヶ月間、食べないように努めて頂きます。
腸内環境を改善するために、
乳酸菌、ビフィズス菌等の善玉菌をとったり、
善玉菌を増やす、オリゴ糖、食物繊維を多く食べることも大事です。
腸粘膜の再生を促すために、
ポリフェノール、アロエベラ、亜鉛、Lーグルタミン、オメガ3などの
サプリメントを摂取するのもお勧めです。
これまで、なかなか治らなかった、
慢性の症状が改善していくのを体感することが出来ます。
気になる方は、まず検査からはじめて見ましょう。
院長
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