2019年07月02日 / ー シリーズ:教えて!朴澤院長, ▶︎【 院長の部屋 】
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皆さんは、どんなとき、耳が詰まった感じがしますか?
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①は、鼓膜の外側の外耳道の問題で、耳が詰まった感じがします。実際に、水などの異物が耳に入ったり、耳垢が詰まっても生じる症状で、耳垢や異物を外耳道から取り除かないと症状は解消されません。
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②は、鼓膜の内側の圧力と外側の圧力が異なるときに生じる感覚です。耳管という、鼓膜の内側の中耳と鼻の奥の上咽頭をつなぐ管があります。あくびをしたり、つばを飲む動作をすると、耳管が開いて、鼓膜の内外の圧力が同じになり、耳のつまりが解消されます。耳抜きという、鼻をつまみながら、鼻から強く息を吐く動作をすると強制的に耳管が開きます。風邪を引いたり、アレルギーがひどいときに、飛行機に乗ったり、ダイビングをすると、耳管がロックしているので、鼓膜の内外の圧が解消できずに、耳が痛くなることがあります。これが航空性中耳炎です。鼓膜が破れてしまうこともあるので、風邪を引いているときは、飛行機に乗らない方が無難です。気圧変化を緩和する耳栓がありますので、飛行機で耳が痛くなりやすい方は、ご利用下さい。耳管の調子が悪い状態が長く続くと、中耳に水がたまる滲出性中耳炎になります。子供さんや、ご高齢の方がなる事が多い病気です。耳が詰まった感じが長く続き、難聴にもなります。耳管の機能を改善する治療が必要です。
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③は、内耳という、音を感じたり、体の釣り合いを保つ部分で感じる症状です。メニエール病という、内耳が水ぶくれになる病気があります。耳が詰まると同時に、音が響いて聞こえたり、ゴーという低音の耳鳴がしたり、グルグル回るめまいがすることもあります。自律神経のバランスが崩れたり、食物アレルギーでおこる症状です。梅雨時期は、低気圧の影響で、自律神経のバランスが崩れやすく、メニエール病を起こす方が増えます。呼吸法で、日頃から、自律神経のバランスを保つことが大切です。食物アレルギーの検査をして、原因となる食物を食べないだけで、長く続いた症状から解放されることもあります。
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耳のつまりは、このように様々な原因で起こる、外耳、中耳、内耳の病気が共通に示す症状です。自己判断しないで、重症化する前に早めに治療して下さい。
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